いろいろ考えるブログ

株式会社ベンチャーネットでいろいろ担当しているタケダがいろいろ考えるブログです。

値段と価値

こんにちは、タケダです。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

私はこたつをいつ出すかで家族と戦っています。寒がりなのですでに家では厚手のガウンを着ていますが、それでも寒いです。なのでリビングにこたつを出したいと訴えますが、母にまだ暑いと退けられます。悲しいです。ババシャツもすでに活躍中です。寒いです。

 

さて、私は会社でいろいろな仕事をしています。いろいろな仕事をしているので、得意なものもあれば、難しいなあと思うものもあるのですが、難しいなあと思うもののひとつが見積書を作ることです。

弊社はコンサルティングサービスをメインにしているので、明確な価格表というのがない場合が多いです。なので、お客様のご要望を聞いて、だいたいどれくらいの作業時間が必要かなあとか、お客様の予算感はどれくらいかなあとか、以前に似たような仕事をしたときはいくらで見積もったかなあとか、いろいろなことを考えて見積りをします。

 

値付けこそが経営だ、と以前に社長が言っていました。その通りだなあと思います。値付け、すごく難しいです。できるだけ高く売るのが商売の基本です。けれど、そんなに高いんじゃ発注できないよ、と言われてしまえば意味がありません。家電量販店などには、他店より1円でも高かったら値引きします!なんて言うところもありますが、これは大手でなければなかなか難しいです。というより、大手でもそんなことを続けていると、業界全体が苦しくなってきてしまうでしょう。

 

見積りをしていると、ものの値段って不思議だなあと思います。自分で見積書を作っておきながら、私ならこんな値段で発注しないだろうなあ、というものでも、お客さんはまったく気にせずに依頼してくれることもあります。逆に、必要な作業時間などを考慮すればギリギリのところで出した見積りでも、「もうちょっと安くならない?」とか、「なんでこんな値段になるの?」となることもあります。

 

ものの価値というのは、当然人によって違います。私は本が好きなので、1万円くらいする専門書でも、内容に興味があれば買ってしまいます。難しい本なら読むのにも時間がかかりますから、1万円で長い時間楽しむことができるなんてすばらしいと思います。けれど、本なんてつまらないよ、という人からすれば、どうしてそんなものが1万円もするのかわからないと思うでしょう。

 

では本の値段が1万円というのはどういうことだろうと考えると、ただ1万円とその本が交換できる、というだけのことです。別にその本にどれだけの価値があるとかないとかいうことにはなりません。

本とは別に、1万円で売られている洋服があったとして、1万円で売られている本とその洋服が同じ価値があるということにもなりません。本を持っていた人がその本を1万円で売って、そうして手に入れた1万円で洋服を買うことはできますが、1万円の洋服と1万円の本を直接交換することも基本的にはできません。たまたま同じ値段がつけられているだけです。その値段も、慣習とか、相場とか、あいまいなものをいろいろ勘案したらそうなった、というだけというのが多いと思います。

 

お金は交換することが前提にあります。お金はお金として持っている間には何の力もありません。(もしかしたら、俺はこれだけ金をもっているぞ、というのが何らかのプレッシャーになったりすることはあるのかもしれないけれど。)基本的には、何か価値のあるものに交換されてはじめて意味をもちます。ものの値段というのは、このときに共通の尺度として使われるだけのものと言えるかもしれません。

 

人間と一番密接に結びついているものの値段というのは、たぶん収入とか給料だと思います。収入や給料が高いことを自分の価値だと思っている人というのが結構いるようです。けれど、月給が30万円の人がいたとして、別にその人の価値が30万円というわけではありません。その人の1か月の仕事と30万円を交換しましょう、という約束をしたというだけのことです。その値段が高くても安くても、それもたまたま業界の相場などから決められただけです。

 

結局、値段なんてすごくあいまいなものだなあと思います。もちろん会社経営という意味では、すごく重要な要素です。けれど、それはあいまいであるからこそ操作することが可能で、その結果経営に大きな影響を与えうるという意味で重要なだけであって、そこに仕事の価値があるわけでもありません。

 

もちろん、生活をする上で値段というのはつきまとうものですし、自分で買える範囲の値段のものしか買えません。けれど、そこに価値があるわけではない、ということは忘れずに、ただの値段に固執してしまわないようにしていきたいなあと思います。