いろいろ考えるブログ

株式会社ベンチャーネットでいろいろ担当しているタケダがいろいろ考えるブログです。

自分のため、でちょうどいい

こんにちは、タケダです。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

私は相変わらずまったりとやっています。困りごとといえば、ノートパソコンがやけに熱くなってファンがびゅんびゅん回ることくらいです。がんばれレッツノート

 

さて、いぜん自己紹介をしたときに書いたのですが、私は大学を卒業したあと、2年ほど中央官庁で働いていました。最近なにかと話題になっている、キャリア官僚というやつです。

このことを人に話すと、「なんで官僚になろうと思ったの?」と聞かれます。正直じぶんでもよくわからないので、だいたいは「なんででしょう?」と聞きかえすことになります。

 

よくよく思い出してみると、きっかけは大学3回生の夏休みでした。まわりが就活だインターンだというので、なんとなく緑色の銀行の短期インターンに応募しました。京大生なら必ず受かる、という話だったのですが、みごとに面接で落ちました。就活むりだな、と思いました。

 

そんなときに、中央官庁から内定をもらった先輩の話を聞きました。それまで公務員になる、ということがまったく思いつかなかったので、なるほど、と思いました。「公務員なら筆記試験だし、がんばればいけるのでは?」というものすごく安易な考えが浮かんだ瞬間です。

 

そんないきさつで、いくつかの官庁の説明会に行きました。それまで本ばかり読んでいた自分には、職員さんたちの話はすごく新鮮でした。頭の中でぐるぐると考えていたことと、ものすごく複雑な現実の世界とが、なんだか少しつながっていくような予感がしました。

 

「国民のため」「人のため」という言葉を、官庁の説明会ではよく耳にしました。そのときの私には、なんだかすごくかっこよく聞こえました。

わたしは、恵まれた環境で育ってきたと思います。だから、恵まれない環境にいる人たちのために何かをしなければいけないんじゃないか。官僚という仕事なら、より多くの人を助けることができるんじゃないか。そんなことを、ぼんやりと、けれどけっこう本気で考えるようになりました。

 

無事にある官庁から内定をもらい、就職しました。仕事をはじめてからも、「人のためになりたい」という思いが、頭のすみっこにありました。下っ端として走り回るだけの、ほんのわずかな仕事です。けれど、たとえほんのわずかでも、たしかにたくさんの人に影響を与える、その一部分でした。

ときおり、「自分のやっている仕事はほんとうに人のためになっているのか?」と考えました。考えれば考えるほど、わからなくなりました。

 

「恵まれない人のために何かがしたい」

「たくさんの人を助けたい」

いま思えば、なんだかちょっと(けっこう?)傲慢な気がします。

もちろん、そんな傲慢さで、ほんとうにたくさんの人を助けられる人もいるでしょう。むしろ、なにか大きなことを成しとげたり、よくも悪くもたくさんの人に影響を与えたりするには、多少の傲慢さが必要だとも思います。だから、傲慢であることが、必ずしも悪いことだとは思いません。

 

けれど、少しずつ現実の世界を見て、ぐるぐる頭で考えて、霞が関を走り回って、なんてしているうちに、わたしの中にあった傲慢さは、どこかに消えてしまいました。そして、苦手な早起きやら、睡眠不足やら、不規則な生活やらのせいか、ある日ばたりと倒れました。「人のため」なんていう前に、まずは「自分のため」からはじめなければ、と思いました。

 

仕事をやめて、「自分のため」を意識した生活をして、体調もだいぶよくなっていきました。そうすると、とても自然に、自分のまわりの人たちに目がいくようになりました。

自分が毎日を楽しくすごすためには、まわりの人にも楽しくすごしてもらわないといけません。だから、「自分のため」を意識していると、自然と「まわりの人のため」を考えるようになるんだな、と思いました。

 

仕事でわーっとなったり、ねむかったり、いろいろあります。けれど、いま私は、なんだかんだで毎日を楽しくすごしています。それはたぶん、「自分のため」というスタートにちゃんと帰ってきたからだと思います。

 

もしかしたら、そのうちまたエネルギーがあふれてきて、たくさんの人を助ける何かができるようになるかもしれません。けれどいまは、「自分のため」にやっていくのがちょうどいいな、と思っています。